患者さんが薬を飲み続けられないのは、意志が弱いからではありません。
「その人に合った関わり方」に整えるだけで、服薬指導は、患者さんの生活に届くようになります。

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コミュニケーション
2026/08/15
正しいことを言うほど、患者さんが離れていく理由  

糖尿病の患者さんに、こんな声かけをしたこと、ありませんか。

 

「甘いものは控えめに」

「ご飯一杯の糖質量は、このくらいです」

「運動するなら、こういう運動がいいですよ」

 

正しい。間違いなく、正しいんです。

でも患者さんは、「はあ…」という顔をして帰っていく。

 

私、これ、めちゃめちゃありました。

 

正しいことを言えば言うほど、患者さんは引いていく。

だからもっと刺さる知識を、ともっと勉強して、また伝える。

気づけば、悪循環でした。

 

専門家として、知識を渡しているつもりでした。

でも実は、「知っていること」を一方的に渡していただけだったのかもしれません。

 

気づかないうちに、「教える人」と「教わる人」という上下関係が、そこに生まれていたように思います。

 

あるとき、伝え方を変えてみました。

 

まず聞いたのは、検査値が上がったことを、患者さんご自身がどう感じているか。

治療を続けるモチベーションは何か。

自分に何ができると思っているか。

 

そうやって関わりを重ねるうちに、

 

「じゃあ、あれをやってみようかな」

「これなら、できるかも」

 

そんな言葉が、患者さんの中からポロポロとこぼれてくるようになりました。

 

その言葉が出てきたところに、自分の持っている知識を、少しずつ差し出す。

それを繰り返すうちに、患者さんは少しずつ、変わっていきました。

 

子どもや大切な人へのプレゼントを選ぶとき、

「何が欲しいのかな」と、まず考えませんか。

 

知識も、同じなのだと思います。

 

専門家だから、自分の知識がすべて正しい。この通りにやれば大丈夫。

そう思って渡しても、患者さんは受け取ってくれません。

 

まずは、相手の思いに思いをはせること。

リスペクトすること。

欲しがっている情報を、許可を取ってから渡すこと。

 

受け皿が開いてから、渡す。

この順番が、何より大事なのだと思います。

 

この「受け皿が開いてから渡す」という関わり方は、患者さんだけでなく、後輩指導やチーム内のコミュニケーションにも、同じことが言えます。

 

「伝えているのに、伝わらない」そんなモヤモヤがあれば、一度お話ししませんか。

 

[無料相談はこちら](https://seiri-to-seiton.com/calendar_21.html)

コミュニケーション
2026/08/09

「今日はどうしましたか?」

この声かけから会話をスタートしていませんか?

 

実はこれ、NGなんです。

 

多くの薬剤師が、この声かけから投薬をスタートしていると思います。でも、そのときの患者さんの表情、見たことはありますか?

 

「病院でも話したのに、またここで同じ話をしなきゃいけないの?」

「先生には話していますから」

 

そんな言葉を言われたり、言われなくても表情でそう訴えられたりしたこと、ありませんか?

 

私たち薬局薬剤師は、カルテを見ることができません。情報は処方箋のみ。


だから、この薬が患者さんの病状に合っているかを判断するために、患者さんご自身に尋ねる必要があるのです。

 

まるで探偵のように、処方箋から病状を推理して「この患者さん、風邪かな、それとも花粉症かな」と仮説を立てながら、話をスタートする。

そして会話の中から、この薬でいいのかを判断していく。

 

これが医薬分業の仕組みです。

 

私たち薬剤師はこの意味を知っています。でも、多くの患者さんにとっては、病院で話したことをまた聞かれるのは、単に面倒な二度手間でしかありません。

 

なぜそう感じてしまうのか。それは、患者さんが医薬分業の意味を知らないからです。

 

私たちは、この薬が目の前の患者さんの治療効果に合っているか、量は体(腎機能や肝機能、体重)に合っているか、飲み合わせはどうか——それをプロとして判断しています。すべては、患者さんの治療が安全に行われるためです。

 

一方、患者さんは薬を飲むことで病気を治療し、健康で快適な生活を送りたいと願っています。

 

薬剤師も患者さんも、薬を通して安心・安全な生活を送りたい。向かっている先は同じはずなのに、なぜこんなすれ違いが起きるのでしょうか。

 

薬局で薬剤師に「今日はどうしましたか?」と聞かれ、患者さんは「さっきも話したのに」と思いながら、嫌な気持ちになる。その言葉が口に出たり、表情に出たりすることもあります。

 

それを見た薬剤師は、悲しくなり、やる気が下がる。それが患者さんへの対応にも表れ、「居心地の悪い薬局」という印象につながっていく。

 

——このような悪循環。

 

ここまで読んでくださった方には、もう見えているかもしれません。さあ、どこを変えればいいのでしょうか。

 

この問題の原因は、薬剤師側は「今日はどうしましたか?」と聞く意味を知っていて、患者さん側はその意味を知らないという、情報のギャップにあります。

 

だとしたら、こう聞いてみませんか。

 

「私たちは処方箋の情報しかなく、診察室でのお話が分かりません。安全にお薬をお渡しするために、教えていただけますか。今日はどうしましたか?」

 せいりとせいとん 

整えると人生の使い道に気づく

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