「今日はどうしましたか?」その一言、実はNGかもしれません
2026/08/09「今日はどうしましたか?」
この声かけから会話をスタートしていませんか?
実はこれ、NGなんです。
多くの薬剤師が、この声かけから投薬をスタートしていると思います。でも、そのときの患者さんの表情、見たことはありますか?
「病院でも話したのに、またここで同じ話をしなきゃいけないの?」
「先生には話していますから」
そんな言葉を言われたり、言われなくても表情でそう訴えられたりしたこと、ありませんか?
私たち薬局薬剤師は、カルテを見ることができません。情報は処方箋のみ。
だから、この薬が患者さんの病状に合っているかを判断するために、患者さんご自身に尋ねる必要があるのです。
まるで探偵のように、処方箋から病状を推理して「この患者さん、風邪かな、それとも花粉症かな」と仮説を立てながら、話をスタートする。
そして会話の中から、この薬でいいのかを判断していく。
これが医薬分業の仕組みです。
私たち薬剤師はこの意味を知っています。でも、多くの患者さんにとっては、病院で話したことをまた聞かれるのは、単に面倒な二度手間でしかありません。
なぜそう感じてしまうのか。それは、患者さんが医薬分業の意味を知らないからです。
私たちは、この薬が目の前の患者さんの治療効果に合っているか、量は体(腎機能や肝機能、体重)に合っているか、飲み合わせはどうか——それをプロとして判断しています。すべては、患者さんの治療が安全に行われるためです。
一方、患者さんは薬を飲むことで病気を治療し、健康で快適な生活を送りたいと願っています。
薬剤師も患者さんも、薬を通して安心・安全な生活を送りたい。向かっている先は同じはずなのに、なぜこんなすれ違いが起きるのでしょうか。
薬局で薬剤師に「今日はどうしましたか?」と聞かれ、患者さんは「さっきも話したのに」と思いながら、嫌な気持ちになる。その言葉が口に出たり、表情に出たりすることもあります。
それを見た薬剤師は、悲しくなり、やる気が下がる。それが患者さんへの対応にも表れ、「居心地の悪い薬局」という印象につながっていく。
——このような悪循環。
ここまで読んでくださった方には、もう見えているかもしれません。さあ、どこを変えればいいのでしょうか。
この問題の原因は、薬剤師側は「今日はどうしましたか?」と聞く意味を知っていて、患者さん側はその意味を知らないという、情報のギャップにあります。
だとしたら、こう聞いてみませんか。
「私たちは処方箋の情報しかなく、診察室でのお話が分かりません。安全にお薬をお渡しするために、教えていただけますか。今日はどうしましたか?」